風の村花日記

前原外相辞任

 前原外相が辞任した。在日韓国人から献金をもらっていたことが原因だ。確かに外国人から政治献金を受けることは禁じられており、違法なことをやったのだからやむを得ないと言われれば反論は難しい。しかし、私は釈然としない。野党の論客は「もしも、献金をした人の国益と我が国の国益が対立することになった場合、どういう判断をするのか」としたり顔で追及する。確かに、外国人の献金を禁ずるのは、そうした事態を恐れるからなのだろう。しかし、今回の場合、献金額は確か5万円×5年、つまり25万円だ。しかも堂々と政治資金収支報告書に記載しているのだから、知ってのことでないことはだれにもわかる。国益を損なわせるために行なった献金ではないし、国益を損ねる恐れがあることを承知で、お金欲しさに受け取ったわけでもないことは明白だ。
 それでも辞任しかないというところに、何ともやりきれなさを感じるのだ。

 とにかく、この国の政治は、すべてのことが政局の材料になる。これまで野党時代の民主党がやってきたこととまったく同じことを、意趣返しとばかりに自民党がやりまくる。政策議論には一切乗らずに、馬鹿の一つ覚えのように「解散総選挙」を繰り返す。解散総選挙で本当にこの国は健全化するだろうか。衆参両院のねじれが解消しない限り、もし、民主党が野党になったらさらに意趣返しが繰り返されるだろうだろう。どこまでも、このみっともない状況が繰り返され、日本の国際的な信用が限りなく失われていく。これ以上国益を損なうことが他にあるだろうか。政治家の愚かさに、言葉を失ってしまう。
 確かに、現政権の体たらくには、目を覆いたくなる。菅さんが、もう少し国民に、国民の目を見てメッセージを発することができないのかと苛つく。しかし、ちょっと思い起こせば、麻生さんもずいぶんひどかった。
 
 私は、今の時点での解散総選挙も総辞職も反対だ。少なくとも、この国の未来を決定づける社会保障と財源の一体改革案が遅くとも6月までにできるのだから、それまでは解散すべきでない。
 しかも、この問題では自民党、民主党の執行部段階では、大きな争点はないはずだ。片方が自助努力推奨、公的福祉削減、負担増反対、対する側が、負担増、公的福祉充実を掲げるというなら、解散には大いに意味がある。しかし、実際は、社会保障政策はもちろん、普天間、尖閣列島、北方領土問題などでもおそらく対立点はなく、「政権担当能力ありやなしや」という曖昧模糊とした争点以外に見当たらない。
 それで解散して、どういう「国益」があるのか、私には理解できない。

 「25万円で辞任」にそんなことを考えた。
by toruikeda | 2011-03-07 18:36
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社会福祉法人生活クラブ理事長の日記

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