風の村花日記

幼稚園真諦

倉橋惣三という名は、保育関係者には基本中の基本で、知らない人はいない位有名らしい。しかし、恥ずかしながら私は最近までその名を知らなかった。
特養風の村を作る過程でいくつもの施設を見学して回ったが、もっとも印象に残ったのが「たいようの杜」だった。愛知県は長久手の小さな里山の中に幼稚園があり、介護福祉士の専門学校があり、特養がある、3世代がごく自然に交じり合っている。幼稚園の園長は保護者に「擦り傷、切り傷は勲章です」と語りかける。大人でも怖いくらいの山の斜面を奔放に駆け回る子どもたちが眩しかった。
以来、特養風の村のそばに幼稚園か保育園を作りたいと夢見てきたが、2年前に夢がかなって風の村保育園ができたのだった。子どもたちが自分の持てる力を存分に発揮できる保育園を作りたいと思ってきたが、その裏づけとなる保育理論を勉強したわけではなく、それは、現場の職員のみなさんに任せているのが現実だった。しかし、思い立って、先日、「積読」状態だった倉橋惣三の「幼稚園真諦」(フレーベル新書)を読んだ。
冒頭、彼は、次のように述べる。「フレーベルの精神を忘れて、その方法の末のみを伝統化した幼稚園を疑う。定型と機械化とによって幼児のいきいきしさを奪う幼稚園を慨く。幼児を無理に自分の方へ捕えて幼児のほうへ赴き即こうとするこまやかさのない幼稚園を忌む。つまりは、幼児を教育すると称して幼児をまず生活させることをしない幼稚園に反対する。」
講演録をまとめたこの本は、全編、玉のような保育論で満ちている。この初版が74年前の昭和9年に出版されたものであることに驚く。今に至るもまったく色褪せない、というより、現代に求められる保育論の全てが言い尽くされていると思う。
わらしこ保育園、風の村保育園で働く職員の皆さんに是非とも読んでもらいたい一冊である。



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by toruikeda | 2009-06-26 12:31
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